労働者派遣法

労働者派遣法 ―過去から現在―

◆昭和60(1985)年7月5日 法律88号(昭和61(1986)年7月1日施行)

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(以下「労働者派遣法」といいます)の制定。適用対象業務を13業務に限定(思考直後さらに3業務を追加)

◆平成8年(1996)年12月16日施行

(1)派遣労働者の就業条件の確保のための措置(モデル雇入通知書、モデル就業条件明示書とうによる明示)

①労働者派遣契約の契約事項に、派遣労働者からの苦情処理等に関する事項を追加

②派遣元事業主および派遣先が構ずべき措置に関する指針の公表

(2)派遣先における派遣就業の適正化のための措置の充実

①適用対象業務以外の業務に派遣就業させてはならないこと及び派遣元事業主(許可・届出事業主)以外の者から労働者派遣を受入れてはならないことの明確化

②①の違反を是正する為の勧告・公表等

③育児・介護休業取得者の代替要員の業務については、港湾運送業務、建設業務及び警備業務だけを禁止

(3)適用対象業務の追加

書籍等の製作・編集、OAインストラクション等塚、対象業務は26業務へ

◆平成11(1999)年12月1日施行

ILO第181条約(民間職業仲介事業所条約)の採択等を踏まえ、大改正

(1)適用対象業務をネガティブリスト化

(①皆と湾運送業務、②建設業務、③警備業務、④医療関連業務、⑤製造業務は適用対象外)

(2)派遣受入期間

臨時的・一時的な労働力の需給システムとして、拡大された適用対象業務については、派遣受入期間を1年に制限

(3)派遣労働者の個人情報の保護規定の追加

(4)派遣労働者の直接雇用の努力義務の創設

◆平成16(2004)年3月1日施行

労働者派遣事業が労働力需給の迅速、円滑活的確な結合を図ることが出来るよう一部改正

(1)派遣受入期間の延長

従来派遣受入れ期間が1年とされていた業務は最長3年までに延長

(2)製造業務への派遣解禁。但し、経過措置として施行後3年間は上限1年とし、それ以降は最長3年

(3)派遣労働派の直接雇用の促進

①派遣受入れ期間の制限のある業務について、派遣受入れ期間の制限に抵触する日以降も派遣先が派遣労働者を使用しようとする場合は、派遣労働者に対して雇用契約の申込みをすることを義務付け

②派遣受入期間の制限が無い業務について、3年を超えて同一の派遣労働者を受け入れている派遣先が当該業務に新たに労働者を雇入れようとする場合は、派遣労働者に対して雇用契約の申込みをすることを義務付け

◆平成19(2007)年3月1日

製造業務への派遣受入期間の延長(最長3年)

◆平成20(2008)年4月1日施行

日雇派遣指針の告示等

◆平成21(2009)年3月31日施行

労働者派遣契約の中途解除に伴う派遣労働者の解雇、雇止め等に適切に対処するため、派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針及び派遣先が構ずべき措置に関する指針が一部改定

◆平成21(2009)年5月18日

一般労働者派遣事業の許可基準の見直し(資産要件及び派遣元責任者に係る要件)

◆平成22(2010)年3月1日施行

労働者派遣事業係る事業報告書関係・事業計画書関係の改正

◆平成24(2012)年10月1日施行

労働者派遣法の正式名は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」から「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に改正され、法律の目的にも、派遣労働者の保護のための法律であることを明記

(1)事業規制の強化

①日雇派遣の原則禁止

原則禁止の例外

(ア)労働者派遣の対象となる日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼす恐れがないと認められる業務

(イ)雇用機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合等

②グループ企業派遣の8割規制

③離職後1年以内の者を離職前事業者に派遣することの禁止

(2)派遣労働者の無期雇用化や待遇の改善

①マージン率等の情報提供

②待遇関する事項などの説明

③派遣先の都合で派遣契約を解除すると気に構ずべき措置の義務づけ

④裕樹雇用派遣労働者の無期雇用への転換推進措置

⑤均衡待遇の確保

⑥派遣労働者に派遣料金の額の明示

(3)違法派遣に対する迅速・的確な対処

①労働契約申込みみなし制度の創設(平成27年10月1日施行)

②許可欠格事由の整備

◆平成27(2015)年9月30日施行

派遣就業は臨時的・一時的なものであることを原則として、よりいっそうの派遣労働者の雇用の安定、保護等を図る大改正

(1)労働者派遣事業の許可制への一本化

①特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業の区別の廃止

暫定的な配慮措置として、小規模派遣元事業主の資産要件を軽減


②許可基準の見直し

雇用管理を適正に行うに足りる能力を有する(主な追加事項)

(ア)派遣労働者のキャリア形成支援制度を有する

(イ)教育訓練等の情報管理資料を労働契約終了後3年間保存

(ウ)無期雇用派遣労働者、また有期雇用派遣労働者(労働契約終了後に労働契約が存続している派遣労働者)について、労働者派遣契約終了のみをもって解雇できる規定がないこと

(エ)使用者の責めに帰すべき事由により休業させた場合、労働基準法第26条に基づく手当て(平均賃金の60%以上)を支払う旨の規程があること

(オ)安全衛生教育の実施体制を整備していること(労働安全衛生法第59条)

(カ)雇用安定措置の義務を免れることを目的とした行為を行って、労働局から指導され、それを是正していない者でないこと

(2)労働者派遣の期間制限の見直し

①政令26業務・自由化業務との区分を廃止し、全ての業務で、以下の2つの期間制限を適用

(ア)派遣先事業所単位の期間制限・・・派遣可能期間は3年

派遣先が3年を超えて派遣を受入れようとする場合、派遣先事業所の過半数労働組合等から意見聴取が必要

(イ)派遣労働者個人単位の期間制限・・・派遣可能期間は3年

同一の派遣労働者を派遣先の事業所における同一の組織単位に対し派遣できる期間は3年

(3)雇用安定措置

派遣元事業主

①派遣先への直接雇用の依頼

②新たな派遣先の提供(合理的なものに限る)

④その他雇用の安定を図る為に必要な措置(有給の教育訓練・紹介予定派遣等)

(4)キャリアアップ措置

段階的活体系的な教育訓練、希望者においてするキャリア・コンサルティングの実施を義務づけ

①派遣元事業主

(ア)段階的活体系的な教育訓練の実施

(イ)キャリア・コンサルティングの相談窓口の設置

(ウ)キャリア形成を念頭においた派遣先の提供を行う手続きの規定

(エ)教育訓練の時期・頻度・時間数等

②派遣先

(ア)派遣労働者のキャリアアップ支援

(a)雇入れ努力義務

派遣労働者を継続して1年以上受入れており、派遣終了後に引き続き同一の業無二十時させる為に労働者を雇用しようとする場合、地帯無く雇入れる努力義務

(b)正社員募集情報の提供義務

派遣先の同一の事業所で同一の派遣労働者を継続して1年以上受け入れており、その事業所で働く正社員を募集する場合、募集にかかる業務内容・賃金・労働時間等を周知する義務

(c)労働者の募集情報の提供義務

派遣先の同一の組織単位の業務に継続して3年間受入れる派遣労働者に対して、労働者の募集を行う場合、募集にかかる業務内容・賃金・労働時間等を周知する義務

(イ)派遣元事業主の求めに応じて

(a)派遣労働者と派遣先で同種の業務に従事する労働者の待遇の均衡を配慮義務

(b)派遣労働者の業務遂行状況を派遣元事業主に情報提供の努力義務

(c)派遣元管理台帳に派遣労働者の教育訓練の日時・内容の記録義務

(5)均衡待遇の推進

「派遣労働者」と「派遣先で同種の業務に従事する労働者」の待遇の均衡を図るため、派遣元事業主と派遣先にそれぞれあらたな義務づけ

①派遣元事業主

(ア)均衡を考慮した待遇の確保の配慮義務

(イ)待遇に関する事項等の説明義務

(ウ)通勤手当の支給に関する留意点

②派遣先

(ア)賃金水準の情報提供の配慮義務

(イ)教育訓練実施に関する配慮義務

(ウ)福利厚生施設の利用に関する配慮義務

(エ)派遣料金額の決定に関する努力義務

◆平成27(2015)年10月1日施行

労働契約申込みなし制度

派遣先が以下の(1)~(4)の違法派遣を受入れた時点で、派遣先が派遣労働者に対して、その派遣労働者の派遣元における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申し込みをしたものとみなす制度(善意無過失の場合を除く)。

(1)労働者派遣の禁止業務従事させた場合

(2)無許可の事業主から労働者派遣を受入れた場合

(3)派遣可能期間を超えて労働者派遣を受入れた場合

(4)いわゆる偽装請負の場合

労働者派遣法 目的と概要

労働者派遣法は、職業安定法と相まって労働力需給の適正な調整を図る為労働者派遣 事業の適正な運営に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の保護等を図り、もって派 遣労働者の雇用の安定その他福祉の増真に資することを目的としています(法第1条)

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律の究極の目的は、上記のように、派遣労働者の保護と雇用の安定を図ることであり、この目的を達成する為、次の措置を講じています。

(1)労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置

①業務の範囲

②事業の許可・事業報告等

(2)派遣労働者の保護等に関する措置

①労働者派遣契約

②派遣元事業主の構図べき措置等

③派遣先の構ずべき措置等

④労働基準法等の適用に関する特例等

⑤罰則、その他

派遣労働者 意義

派遣労働者とは、事業主が雇用する労働者であって、労働者派遣の対象となるものをいいます(法第2条第2号)

派遣労働者は、事業主に現に雇用されている状態にあることが必要です。

つまり、登録型の労働者派遣事業において、登録されているだけで、まだ事業主に雇用されていない労働者は、派遣労働者には該当しません。